Lemna - From The Cave 日本の山岳信仰において、洞窟は神仏や霊魂が宿る神聖な場所として畏怖されてきました。 時にそれは胎内、あるいは異界への入り口とみなされ、洞窟を通り抜けることは「擬死再生」を象徴する儀式とも捉えられてきました。 「From The Cave」は、潜在意識の領域のメタファーである洞窟と、そこでの内省の旅――五蓋との対峙と超克――を通した、古い記憶の回想と、混沌からの浄化のプロセスを描いた約60分の音楽作品です。 人間の脳のおよそ半分は視覚処理に関わり、外界から受け取る情報の80%以上を視覚から得ているとされています。 世界との対話において他のどの感覚よりもはるかに視覚に依存している私たちは、眩しい光と膨大な視覚情報に晒され続ける現代、絶え間なく神経を酷使し、慢性的な処理不全に陥り、本来有しているはずの感性や直感は麻痺しつつあります。 かつて、私たちのすぐ傍には暗闇がありました。そこには確かに恐怖もあったでしょう。しかし、恐れを遠ざけ文明の恩恵を得たことと引き換えに、私たちは何かを失いました。 それは、目に見えない微かな気配すら捉えようとする、外へと研ぎ澄まされた繊細な感受性。 そして、暗闇と孤独によって呼び覚まされる内への対話、深い内観による変容意識。 真っ暗な洞窟の中、キャンドルの灯りのみで行われるこのショーを通じて、かつて私たちが暗闇の中で何を感じ、何を見出し、何を与えられていたのかを、今一度手繰り寄せたいと願っています。 ・Lemna 栃木県在住の電子音楽家、Maiko Okimotoによるソロプロジェクト。 有機的な音景と実験的なリズムアプローチを軸とした独自の音世界で物語を紡ぎ、クラブミュージックの枠を超え、ビジュアルアートや現代舞踊など他ジャンルとのコラボレーション、展示会やインスタレーションのための音楽制作など幅広い分野で活動。 ・C-KAY Raised with a diverse musical background spanning piano, Japanese taiko drums, and traditional bamboo flute from an early age, she later evolved into DJing and music production, building upon a deeply embodied musical foundation. Drawing from inner emotional landscapes, environmental interaction, and dialogue with others, she abstracts these experiences into genre-fluid sonic expression that moves beyond conventional boundaries. Through meticulous spatial composition and three-dimensional sound design, she constructs immersive, multi-layered sonic environments, where deep, hypnotic grooves intertwine with moments of ritualistic tension. Moving fluidly between club functionality and experimental exploration, her performances deliver intensely physical and perceptual experiences on the dancefloor. Her work has been released on labels including Subsist Records, Mirae Arts, Modular Mind, webuildmachines, and vurt., and she has performed across Asia and Europe as both a DJ and live act, steadily expanding her presence within the international electronic music scene. She is currently a resident artist at KGR’n Tokyo, where she continues to develop and evolve her sonic practice. 幼少期よりピアノ、和太鼓、梅笛など多様な楽器に触れ、その身体感覚と音楽的素養を礎にDJ/楽曲制作へと展開。内面の揺らぎや環境との相互作用、他者との対話から生まれる感覚を抽象化し、ジャンルの境界にとらわれない音響表現へと昇華させている。 緻密な空間設計と立体的なサウンドデザインを軸に、多層的で没入感のある音響空間を構築しながら、ディープで催眠的なグルーヴと儀式的な緊張感を織り交ぜた表現を展開。クラブミュージックの機能性と実験性のあいだを横断し、フロアに身体的かつ知覚的な体験をもたらしている。 これまでにSubsist Records、Mirae Arts、Modular Mind、webuildmachines、vurt.など国内外のレーベルより作品を発表し、アジアおよびヨーロッパ各地でDJ/ライブパフォーマンスを展開。国際的な電子音楽シーンにおいて存在感を広げている。現在はKGR’n Tokyoのレジデントアーティストとして活動を続けている。